ハナミズキの樹形は、一般的には幹から上まで芯が一本スッとまっすぐ通った樹形が美しいといわれています。 ですが、ハナミズキは自然に育てるとヤマボウシと同様、芯がわからなくなるほど左右に暴れる特徴があります。
「それこそがハナミズキの魅力」とおっしゃる方もいますので一概にどちらがいいとは言えませんが、もし園芸店で売っているような樹形のハナミズキにしたい場合は、こちらの剪定方法をぜひ参考にしてください。
ハナミズキの特徴は、枝に節があり、枝を切るとその節から新しい芽が出てきます。 それを頭の片隅に置きながら、まずは以下の基本的な剪定を行います。 ①地上から全体高さの3分の1までの枝は落とす。 ②絡み枝を取る。 ③徒長枝(とちょうし)を取る。 ④葉のバランスを見て透かす、詰める。 ⑤芯を立てる。
①②③順番はあまり関係有りません。
ただし、①の下枝と呼ばれる枝は、バランスを見て落しましょう。 下枝は一度落とすと再び生えてきません。 (養分が上へ上へ行くため、下枝が作られにくい) 下枝をあげすぎるとバランスが悪くなることがあります。
右写真は、徒長枝(とちょうし)。 徒長枝(とちょうし)とは、幹と平行にまっすぐ上に伸びる枝です。
根元からバッサリと落とします。
右写真は、絡み枝です。 絡み枝とは、本来外側に向かって生えるはずの枝が、 幹に向って内側に生えている枝やほかの枝と交差している枝。 を指します。
この写真の場合は、両枝とも内側に生えてしまっているので 根元から落としてしまいます。 外側に向いていて絡んでいる枝は、バランスを見て どちらかを根元から落とすか、両方を途中で落とします。
ハナミズキにおいて芯を立てる作業は非常に重要です。
まずこの言葉の説明ですが、「芯」とは、木の幹の先端部分を指し、「立てる」とは、まっすぐとした幹になるようにしてあげることです。
ハナミズキは右写真のように、芯(赤い線)よりもほかの枝が太くなる場合が多い木です。枝が太いということは養分が多いということなのでその枝が太く成長していきます。 そのまま放っておくと、芯が枯れ脇の枝が芯に取って代わるのでそのまま曲った樹形となっていきます。
そこで定期的に芯の周りの枝を落としてあげます。 そうすることで、芯に養分がたまり芯が太くなっていきます。
右の写真のように、節で枝を切るとバランスがいいでしょう。
ちなみに、芯(赤線)が右写真のように枯れたりしまったり、あからさまに芯が弱く脇の芽が成長してしまっている場合、そちらを芯として利用する必要があります。
芯の代わりとなる枝を残し、芯とそのほかの枝を切り落とします。
最終的に円錐状になるように周りの葉を切りそろえれば完成です。
少しさみしくなった?そう感じるかもしれませんが、下右の写真のように、今まで日陰になっていた部分の葉が成長したり、そこから新しい葉が吹くことで、ボリュームが出ると同時にきれいな樹形へとなっていきます。 もちろん下の丸以外のところもボリュームが出てきます。
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